The Doors「Strange Days」
人生で一度だけ海外に行ったことがる。
アメリカ。
ロサンゼルス。
ハリウッド。
17歳のころ、当時通っていた専門学校の本校がハリウッドにあって、研修旅行という名目で現地に行った。
11月だったがとにかく暑く、そして乾燥していた。
毎日唇が割れて常に出血していた。
ハリウッドにはもちろんお土産屋がたくさんあった。
なにせハリウッドだから。
どの店にも様々な種類のジム・モリソングッズが置いてあった。
完全にハリウッドの象徴の一人だった。
ポスターとTシャツを買った。
ハリウッドの思い出は、唇の出血とジム・モリソンだ。
ドアーズのセカンドアルバム、「Strange Days(まぼろしの世界)」は、人生で一番好きなアルバムで、たぶんこの先その事実が変わることはないと思う。
暗い、陰気で地味なアルバムだ。
でも1曲目の「Strange Days」の冒頭の狂暴なオルガンを聴くたびに興奮と落ち着きが体に宿るのを感じる。
これまでに何度も聴いてきたし、これからも何度も聴くだろう。
もちろん今も聴いている。
書いていて、ロサンゼルスのホテルの部屋に、読もうと思って持って行った三島由紀夫の「仮面の告白」を置き忘れていたことを思い出した。
あれから14年くらい経つが、未だに読んだことがない。