「金縛り」考察
金縛りによくあう。
よくあうとは言ったものの、世間一般的に金縛りにあう頻度がわからないので「よく」という言葉が適切かどうかわからないが、平均すると月1回くらいはあう。
自分ではよくあうほうではないかと思っている。
そして、社会通念上の「金縛り」というものに当てはまるのかどうかもわからない。
一般的な「金縛り」といえば、「女の人に首を縛られる」的なものがステレオタイプなイメージだが、僕の場合はそういうものではない。
なので「金縛り」と言っていいのものかわからないけれど、「寝ている間に体が動かないという意識を抱く」という点は共有しているので金縛りによくあうと発言してもいいはずだ。
初めて金縛りにあったのが大学生のころで、かれこれ8年くらい付き合っているが、だいたい同じパターンである。
・真っ暗で布団に横になった、そのときに見える光景と酷似した(少しレイアウトなどが違う)空間で発生する。
・そのことを「夢」だとハッキリ意識した段階からスタートする。
・その空間に知らない誰か(男女問わず)が入り込み、その誰かの気配や影を認知する。
・その気配や影に恐怖を感じ、怒鳴って追い返そうとするが、声も出ず体も動かない。
・声も出ず体も動かないので、「もしこれが夢じゃなかったらどうしよう」という不安と恐怖から、「夢」と「現実」の境目がわからなくなる。
・「夢」と「現実」の境目がわからなくなること、声も出ず体も動かないこと、そして謎の人間の気配や影そのものへの恐怖が最大限になった瞬間、なんとか声を発するが、とてつもなく情けない声。
・その情けない声が発された瞬間と同時に目が覚める。
以上が私的金縛り黄金パターンである。
色々と不思議なことはあるけれど、一番不思議でかつ自分でも興味深いのは、「女の人に首を絞められている」的な霊感物語ではなく、いつもハッキリと「人間」の存在や影に恐れているんだと自分で意識している点である。
今思い返せば、例えば小さいころに実家で、夜に自分の部屋がある2階へ上がるのが怖かったときがあるが、幽霊的なものへの恐怖ではなく、「とんでもねえサイコキラーが2階にいたらどうしよう」的な恐怖だった。
もちろん幽霊的なものを全く信じずに恐れてもいないわけでもないけれど、それよりも生身の人間への恐怖が勝る。
幽霊は自分の身に危害を加えないが、生身の人間は加えうる。
その恐怖が潜在的にあって、「夢」で顕在化しているんだと、自分で勝手に考察している。
声が出ない、体が動かない、といったことはただの副産物のようなものだと思っている。
まず一番は「とんでもねえ人間」への恐怖だ。
なんでこんなことを書いたかと言うと、今朝も金縛りにあった。
あいたてホヤホヤのホットな状態で何か書き記そうと思ったから。
ちなみに今朝は「なんや~お前~うわぁ~・・・」という、極限まで震えた自分の声で起きた。
情けなさすぎて恥ずかしくなって、とりあえずトイレでタバコを一本吸った。